しさくの広場2024 春 作品No.21_山田 千晴 表現 雪どけ 遠くに聞こえていた教会の鐘の音が、近くに聞こえるようになったら、それは春の訪れの合図。陽光が明るい。灰色だった空が⻘く澄んでいる。街のあちこちで雪どけ水の流れる音が囁きの様に聞こえる。緑になるまで、もう少し時間はかかるけれど、あぁ、何と清々しい世界だろう。そうだ、今日は、市場にマツユキ草を買いに行こう。森の中で、最初に咲く春の花を部屋に飾ろう。ずっと昔、モスクワに住んでいた頃の、幸せな思い出。 (山田 千晴) しさくの広場2023夏 2023年度 作品 しさくの広場 詩作と思索