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しさくの広場2024 春 作品No.4_天海楓

自由律俳句

梅、花吹雪、春の寝起き

ビニール袋はためいて春風

影が俊敏、仰げば鶯

木に捕まった凧を飛ばしてくれ春

飛行機雲みちびく紙飛行機

風船は空まで届く春の雲

鳴き声に振り向き見ると猫の恋

あの苦い想い溶かした春夕焼け(ゆやけ)

春眠でなくても暁を覚えず

余寒消え春と思えぬ陽射し射る

女神フローラ微笑んで、すみれ草

雪とけて泥濘む(ぬかるむ)足を取られつつ

歩いても歩いても桜並木

花見で携帯電話に俯くか

もう不要、手袋のない春散歩

 

(天海 楓)