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22/7/12
2022年7月12日(火) 10:30~12:00、2022年度第11回となる「みらいつくり哲学学校オンライン」を開催しました。
奇数回は、ちくま新書『世界哲学史』を第1,8巻から「折りたたみ」で読んでいきます。
第11回は、『世界哲学史』の1巻7章と8巻5章についてです。
テーマは、「1巻7章 ソクラテスとギリシア文化」、「8巻5章 哲学と批評」でした。
1巻7章 ソクラテスとギリシア文化では、1.世界から魂へ、2.民主制ポリスの哲学者ソクラテス、3.魂への配慮、という章立てでした。ソクラテスの生い立ちや当時の哲学のあり方が紹介されていました。ソクラテスは、「不知の自覚」こそが正しい自己理解につながるとしていたそうです。
8巻5章 哲学と批評では、1.批評を再定義する、2.意味の構造、3.無限の神,無限の意味、という章立てでした。批評とは解釈学であるとして、日本の解釈学やそれに関連する事柄について取り扱われていました。
ディスカッションの時間は、今回の8巻のテーマであった「批評とは何か?」という話から始まりました。批評を「読み取ることではないか」と言った意見や、最近は批評することが少なくなっており、批評に関する雑誌よりファンブック(褒める内容)が多いという話もありました。
また、教師や医師、権威のあるひとを「先生」と呼ぶことで、関係性に上下関係が生まれるのか?という話もありました。本人はそのような意識がなくとも、周囲の方はやはり上下関係を意識してしまうという事でした。
哲学を何年も続けていると、それぞれの向き合い方が確立されつつあります。最初はわからない事ばかりでしたが、最近は分からなくても良いんだと思い始めてきました。
次回、第12回(偶数回)は、7月26日(火)10:30~12:00、エマニュエル・レヴィナス『全体性と無限』より「第Ⅱ部 内奥性と家政 A生としての分離」を扱います。
第13回(奇数回)は、8月9日(火)か16日(火)のどちらかで開催します。時間は10:30~12:00、ちくま新書『世界哲学史』より「1巻 8章と8巻4章」を扱います。
参加希望や、この活動に興味のある方は、下記案内ページより詳細をご確認ください。
皆さまのご参加をお待ちしております。
執筆:吉成亜実(みらいつくり研究所 リサーチフェロー兼ライター)
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