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22/6/28
2022年6月28日(火) 10:30~12:00、2022年度第9回となる「みらいつくり哲学学校オンライン」を開催しました。
奇数回は、ちくま新書『世界哲学史』を第1,8巻から「折りたたみ」で読んでいきます。
第9回は、『世界哲学史』の1巻6章と8巻6章についてです。
テーマは、「1巻6章 古代ギリシアの詩から哲学へ」、「8巻6章 現代イスラーム哲学」でした。
1巻6章 古代ギリシアの詩から哲学へでは、哲学発祥の地としての古代ギリシアについてや、哲学者とはどのような人を指すのか、詩から哲学への流れについてが書かれていました。詩と哲学の関連については、「初期ギリシアの哲学者たちは真理を語る権威として『詩』を扱わなかった。」「『詩』に対する柔軟で批判的な態度が、この時代に哲学を生むための条件のひとつだったのである。」ということでした。
8巻6章 現代イスラーム哲学では、はじめに筆者の紹介がありました。次に伝統イスラーム学、そのテキストについて、メッセージを伝える事についてなどが語られました。「現代イスラーム哲学」「ファルサファ・イスラーミーヤ・ムアースィラ」「the modern Islamic philosophy」を区別し、ファルサファ・イスラーミーヤ・ムアースィラは現在の日本文化の枠組の中では理解できず、せいぜい可能なのは「理解できない」ことを理解することだけである。というような内容が書かれていました。
ディスカッションの時間は、本文の「ファルサファ・イスラーミーヤ・ムアースィラ(イスラム哲学)は理解できない」という内容は、偶数回での「同と他」に関連する内容なのではないかという話から始まりました。
また、生成変化という内容に関連して、「自分はこれまで、何の影響を受けて生成変化が起きてきたと思うか?」という質問がありました。人との関わりや読書、老いなどそれぞれ異なる要因があるようでした。
レジュメのコメントの中に、「月がきれいですね=愛しています。という意味が浸透しすぎて、本当に月がきれいだと言いたいときはどうすればいいのか」という話がありました。言葉に裏の意味ができてしまう事で、不便になってしまう場面もありますね。
次回、第10回(偶数回)は、7月5日(火)10:30~12:00、エマニュエル・レヴィナス『全体性と無限』より「第Ⅰ部 <同>と<他> C 真理と正義・D 分離と絶対者」を扱います。
第11回(奇数回)は、7月12日(火)10:30~12:00、ちくま新書『世界哲学史』より「1巻 7章と8巻5章」を扱います。
参加希望や、この活動に興味のある方は、下記案内ページより詳細をご確認ください。
皆さまのご参加をお待ちしております。
執筆:吉成亜実(みらいつくり研究所 リサーチフェロー兼ライター)
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