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22/4/19
2022年4月19日(火) 10:30~12:00、2022年度第3回となる「みらいつくり哲学学校オンライン」を開催しました。
奇数回は、ちくま新書『世界哲学史』を第1,8巻から「折りたたみ」で読んでいきます。
第3回は、『世界哲学史』の1巻3章と8巻9章についてです。
テーマは、「1巻3章 旧約聖書とユダヤ教における世界と魂」、「8巻9章 アジアの中の日本」でした。
1巻 3章 旧約聖書とユダヤ教における世界と魂では、旧約聖書をもとに「イスラエルで哲学はあったのか?」という問いについてや、「世界の創造」、「魂」などについて取り扱われていました。
旧約聖書では、神は世界から超越した存在であり、世界は発生したのではなく、神の明確な意志により創造されたものとされています。また、魂は「ネフェシュ」と呼ばれ、ネフェシュの不死性,死後の存続の観念は見られないようでした。
8巻 9章 アジアの中の日本では、日本をはじめとするアジア圏は、西洋から多くの影響を受けてきたことから、「伝統」をどのようにとらえるかという問題があるという話から始まり、儒教や仏教などの分析を通し、東アジア的な哲学は可能なのかという点から、共同の探究が重要であるという結論になりました。
ディスカッションの時間は、1巻部分で取り扱われていた魂・「ネフェシュ」についての考察や、「本文やこれまでの中で、世界の創造について触れられていたが、皆さんはどのように世界が創造されたと考えるか」という問いから、それぞれの考えを聞きました。その後は、今回が初参加の方から「どのようなスタンスで哲学に向き合えばよいのか」という話が出ました。みらいつくり哲学学校には、決まった学びのスタンスがなく、それぞれのスタンスで、好きに哲学をしているという点を、その方とともに改めて共有しました。
折りたたみ哲学史を通して過去と現代から同時に哲学していくことは、混乱することもありますが、同時に新たな発見もあるので、面白い読み方かもしれませんね。
次回、第4回(偶数回)は、5月10日(火)10:30~12:00、エマニュエル・レヴィナス『全体性と無限』より「第Ⅰ部 <同>と<他> A.形而上学と超越」を扱います。
第5回(奇数回)は、5月17日(火)10:30~12:00、ちくま新書『世界哲学史』より「1巻 4章と8巻 8章」部分を扱います。
参加希望や、この活動に興味のある方は、下記案内ページより詳細をご確認ください。
皆さまのご参加をお待ちしております。
執筆:吉成亜実(みらいつくり研究所 リサーチフェロー兼ライター)
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