これまで2年間、合計66回の「哲学学校」を開催してきました。
哲学学校では、奇数回は「哲学することを学ぶ」、偶数回は「哲学を学ぶ」をテーマにしてきました。
初年度となる2020年度の課題図書は、奇数回が『生きる場からの哲学入門』、偶数回がマルティン・ハイデガーの『存在と時間』でした。 https://futurecreating.net/works/works-508/
二年目となる2021年度の課題図書は、奇数回が渡邊二郎の『人生の哲学』、偶数回がハンナ・アーレントの『人間の条件』でした。 https://futurecreating.net/works/works-4028/
2022年度の課題図書、偶数回はアーレントと同じくハイデガーに影響を受けた、フランスのユダヤ人哲学者エマニュエル・レヴィナスの『全体性と無限』です。
エマニュエル・レヴィナス著、藤岡俊博訳 『全体性と無限』 講談社学術文庫, 2020
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000337922
これまで「存在とは」、「人間の条件とは」について学んできましたが、2022年度は初めて「他者とは」について学びます。
日本語訳で600ページ近い大著ではありますが、できれば一年間で読み切りたいと思います。
奇数回では、初めての試みとして、「哲学の歴史について学ぶ」をテーマに、ちくま新書のシリーズとして2020年に刊行された『世界哲学史』の第1~8巻を課題図書として学びます。
ちくま新書 シリーズ 『世界哲学史』 (全9巻)
https://www.chikumashobo.co.jp/special/world_philosophy/
全部で約80章あるので、一年間で終わることはできません。
毎回2章ずつ扱い、三年間で読み終える計画です。
「折りたたみ世界哲学史」として、古代の方から1章ずつ、現代の方から1章ずつ、世界の哲学の歴史を「折りたたむ」ように読んでいきます。
初年度の計画を下記に示しますが、例えば第7回だと、古代の方が「第1巻 第5章 古代インドにおける世界と魂」、
現代の方が「第8巻 第7章 中国の現代哲学」を同時に読むことになり、時代を経て共通するところがありそうです。
逆に、第23回だと、古代の方が「第2巻 第3章 キリスト教の成立」、
現代の方が「第7巻 第9章 近代インドの普遍思想」を同時に読むことになり、一体どんな感じになるのか楽しみです。
回 | 巻 | 章 | タイトル |
1 | 1 | 2 | 古代西アジアにおける世界と魂 |
1 | 8 | 10 | 現代のアフリカ哲学 |
3 | 1 | 3 | 旧約聖書とユダヤ教における世界と魂 |
3 | 8 | 9 | アジアの中の日本 |
5 | 1 | 4 | 中国の諸子百家における世界と魂 |
5 | 8 | 8 | 日本哲学の連続性 |
7 | 1 | 5 | 古代インドにおける世界と魂 |
7 | 8 | 7 | 中国の現代哲学 |
9 | 1 | 6 | 古代ギリシアの詩から哲学へ |
9 | 8 | 6 | 現代イスラーム哲学 |
11 | 1 | 7 | ソクラテスとギリシア文化 |
11 | 8 | 5 | 哲学と批評 |
13 | 1 | 8 | プラトンとアリストテレス |
13 | 8 | 4 | フェミニズムの思想と「女」をめぐる政治 |
15 | 1 | 9 | ヘレニズムの哲学 |
15 | 8 | 3 | ポストモダン、ポスト構造主義の論理と倫理 |
17 | 1 | 10 | ギリシアとインドの出会いと交流 |
17 | 8 | 2 | ヨーロッパの自意識と不安 |
19 | 2 | 1 | 哲学の世界化と制度・伝統 |
19 | 8 | 1 | 分析哲学の興亡 |
21 | 2 | 2 | ローマに入った哲学 |
21 | 7 | 10 | 「文明」と近代日本 |
23 | 2 | 3 | キリスト教の成立 |
23 | 7 | 9 | 近代インドの普遍思想 |
25 | 2 | 4 | 大乗仏教の成立 |
25 | 7 | 8 | スピリチュアリスムの変遷 |
27 | 2 | 5 | 古典中国の成立 |
27 | 7 | 7 | 「新世界」という自己意識 |
29 | 2 | 6 | 仏教と儒教の論争 |
29 | 7 | 6 | 数学と論理学の革命 |
あらかじめ読む担当を決め、担当になった人は見出しやキーワードなど、簡単なレジュメを作ります。
当日は、古代から、現代から、それぞれ15分ずつレジュメを用いて内容を報告し、残り1時間で参加者全員で議論します。
2022年度の哲学学校は、2022年4月5日(火) 10:30~12:00よりスタートです。
毎週火曜日の同じ時間に開催していきます。
カメラ・マイクオフの「ラジオ参加」や、Youtubeライブ配信での視聴参加も可能です。
ZoomのアドレスやYoutubeライブ配信のアドレス(開催直前に掲載)は、会員ページにあるカレンダーで確認できます。
仕事などでリアルタイムの参加が難しいという方も、会員ページのアーカイブ録画から視聴できます。
無料の会員登録はこちら
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdMjCWA6HlsAn4nu6RFUQnhgAvj4z-Xv3AVKN4vtuVfVopyHQ/viewform
このような世界状況だからこそ、一緒に「哲学」しませんか?
皆様の参加をお待ちしております。
みらいつくり研究所
哲学学校担当
土畠 智幸
brotom1977@gmail.com