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生活者006

2020/04/29 みらいつくり個人誌『生活者』No.006 発行者:松井翔惟

 昨日、昼過ぎに妻を迎えに職場に向かいました。まっすぐな下手稲通りを車で走りながら手稲山に目をやると、雪のある部分とそうでない部分がはっきりと分かれて見えました。日差しがポカポカしていても、スーッと吹く風が冷たいのは、まだ山に雪が残っているからでしょうか。冬の晴れとは違うなんとも言えない明るい青空に、雲が浮かんでいます。アニメに出てくる、背中の大きく膨らんだ鯨のような雲。妻に見せたかったので、めずらしく写真を撮ろうと思いました。構えたiPhoneの画面越しに見える雲は、全然鯨には見えませんでした。写真を撮る習慣が私に無いのは、目から見えるものと画面に写るものが全然違うように感じられるからかもしれません。写真を撮ろうと車を停めるために入った横道から、軽川沿いに、今まさに開こうとしている桜の蕾が見えました。
 この三日間、読売新聞日曜版に載っていた「数独」に熱中しました。「毎月最終週の『数独』は難問編です。」と書かれたクイズに計三時間は費やしました。マスが埋まっていく感覚は気持ちの良いものでした。しかしこれまでこんなに居心地良く取り組んだ覚えはありません。「なんでかな」と頭の片隅で考えながら、ラジオを聴いていました。
 「東京ポッド許可局」は私が大好きなラジオ番組の一つです。少し前に許可局員(リスナー)が電話出演した回がありました。その方は「親戚のおじさんが話しているのを聞くのが昔から好きだった」と話していました。最近始まったコーナー「イントロ・ザ・ジャイアント」は最高です。この番組では、何度も同じ曲が流れます。彼らは何度も同じ話をします。彼らは私の尊敬するおじさんたちです。今週は「年齢当てゲーム」をしていました。芸能人の名前を挙げて、何歳だろうと考えるゲームです。キャッキャと話すおじさんたち。マキタスポーツが「それ以上求めたらだめ!」「追求したらだめ!」と言いました。数独に熱中した私は意味の無いことをしたかったのかもしれない、と思いました。在宅ワークを始めて、いかに意味を生むかを考えています。何も生み出せなかった時間を後ろめたく感じます。
 早く、みんなに会って、工藤さんのつくる白飯の進むごはんが食べたいです。イニシさんの面白家族エピソードを聞きたいです。つねちゃんの西城秀樹のモノマネが見たいです。
 全く世代は違うけれど、松田聖子さんの「チェリーブラッサム」いい曲ですね。