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G suite導入顛末記 その9  G suiteの機能③ Meet(テレビ会議)

 

今回はテレビ会議の機能について。新型コロナウイルスの流行が始まり、一気に普及したのがテレビ会議。最も有名なのは「Zoom」だと思うが、稲生会では2018年の夏からこのZoomを活用していた。一番最初にZoomを使ったのは、2018年8月より始まった「みらいつくり大学」において。みらいつくり大学は、文部科学省の「高校卒業後の障害者の学びの場づくり実践研究事業」として始まったのだが、その際、参加してくれていた障害当事者の方から「Zoomというシステムがあるので、それを活用して会場に行かなくてもみらいつくり大学の講義に参加できるようにしてほしい」という声があり、利用を始めた。

 

その後、稲生会の朝ミーティングでもZoomを活用し始め、朝に事務所に出勤しない直行直帰の職員が自宅あるいは訪問に向かう車中からZoomでミーティングに参加するようになったが、当時は数名程度に限られていた。稲生会には常勤の「映像ディレクター」がいて、稲生会の活動を映像にして発信するという業務の他、いわゆるPA関係(音響・配信)の業務も行ってくれている。朝ミーティングでのZoomの活用にあたり、当初は「集音マイク」を使ったのだが、性能が悪く全然聞き取れなかった。そこで、映像ディレクターがマイクやスピーカーのシステムを組み、事務所での発言はすべてマイクを使用することとして、事務所にいても、Zoomを介してでも、電波状況さえ大丈夫であればクリアな音声でミーティングの内容を把握できるようになった。

 

2020年4月中旬より「分散勤務体制」となったが、それまで事務所で朝ミーティングに参加していた職員も業務用携帯や自身のパソコンにZoomアプリをダウンロードすることで、あまり大きな問題なく朝ミーティングに参加して診療・ケアに必要な情報の共有を行うことができた。稲生会にZoomを紹介してくださった方には本当に感謝している。

 

Zoomは、複数名でテレビ会議を行うことができるシステムであるが、無料アカウントの場合、3名以上だと40分で一度接続が切れてしまう。講義の途中などで接続が切れることはよくないため、稲生会ではもともと有料アカウントを取得していた。朝ミーティングであれば全職員がそこに出るので問題ないのだが、その後の大小さまざまな法人内ミーティング、法人外の方とのテレビ会議などを合わせるとかなりの数になり、それをひとつの有料アカウントでまかなうことはできない。2020年5月からは、みらいつくり研究所のオンライン活動も始まり、毎日何らかのオンラインによる生涯学習活動を行うようになったため、研究所用の有料アカウントも取得したのだが、それでもやはり間に合わない。そこで活躍したのが、G suiteのシステムとしてのGoogle Meetである。

 

MeetはZoomと同様のテレビ会議システムである。ただ、やはりテレビ会議システムとしてはZoomが圧倒的に優れていると思う。世界中に急速に広まった理由がよくわかる。Meetの方もそれを意識してか、少しずつアップデートを繰り返してはいる。パソコンだと1画面に最大49名までが表示されるZoomと違って、Meetだと6名くらいしか表示されなかったのだが、2020年9月中にMeetでも49名まで表示されるということである。画質・音質についてもやはりZoomのほうがよい。そして何より、なぜかZoomの方が通信量が圧倒的に少ない。つまり、Wifiなどの回線速度が遅くても、Zoomだとそれなりにやり取りできるものが、Meetだとかなり粗くなってしまう。また、Meetの特徴として、周囲の雑音をかなり拾ってしまうということがある。「ノイズキャンセリング機能」が追加されたということで使ってみたが、あまり変わらない印象である。ということで、Meetだと会話に集中しづらい、といったことが起こるため、事務所など周囲に人がいるような状況から参加している人がマイクをオンにしたままだとザワザワしてしまうため「発言するとき以外ミュートにして~」とお願いしている。

 

Zoomでも同様なのだが、Meetで有難いのは「録画機能」。Meetをするときに録画ボタンを押すと、自身のクラウドに自動的に保存される。それを共有ドライブに移し、ミーティングに参加できなかった職員が後で観る、ということを日常的に行っている。しかーし!このMeetの録画機能が、2020年9月で終了になるとのこと。GoogleさんはZoomをかなり意識して「期限つきで無料利用可」にしたが、そのまま無期限で利用できるようにするだろう…と読んでいたのだがはずれた…。おい!なんでそこは頑張らないんだ!利用者がZoomに流れちゃうぞ!とあてもなく吠えてみる。現在の稲生会のG suiteアカウントは2段階目のBusinessというプラン。最上級のEnterpriseというプランにアップグレードするとこれまで通り録画機能が使えるのだが、Enterpriseはもともと1,000人規模の大企業で利用するイメージのプランになっており、職員数わずか71名の稲生会で利用するには…。G suite利用組織向けのお得なアップグレードプランもあり、そこまで大きく値段が変わらないようでもあるのだが、現在悩み中である。

 

なんだかMeetの紹介をしてるんだかディスってるんだかわからない感じになってきたので、最後にMeetを思いっきりほめてみよう!Zoomと違って、MeetはG suiteというシステムの中の機能になっているので、他の機能との連携ができるのだ!まず始めに、Gメールの画面から直接Meetを始めることができる!もちろん、前回紹介したチャットとも連動していて、チャットしてる最中に「ね~、チャットしてたら声聴きたくなっちゃった~。顔も見たくなっちゃった~。Meetしよ♡」という風に、チャットからそのままMeetに移行できるのだ!カレンダーとも連動していて、カレンダーでスケジュールを作成する際、Meetの会議コードを作成することができ、それを会議参加者に「ゲストメール」として送ると、ゲストのGメールに開催案内のメールが届くのと同時に、ゲストのカレンダーに自動的に追加され、カレンダーから直接Meetに参加することができるのだ!そしてそして、Zoomで会議を開催する場合、ゲストを追加すると自動的にMeetの会議コードが作成され、ゲストメールを受け取った人が下のコメント欄にZoomのアドレスが貼り付けてあるのに気付かず、間違ってMeetに入ってしまい、「Meetしに来たのに誰にもMeetできなぁい!スクロールして初めて出てくるコメント欄にあるZoomのアドレスなんて小さすぎて見えなぁぁい!!」という渡辺謙状態になってしまうのだ!!

 

…あれ?結局最後ディスってる…?ということで、Zoomという出木杉君の陰で、ドラえもんが一緒に付いてくるならまあ使えるかな的なのび太君的存在がMeetなのです。強調しておきたいのですが、のび太君、嫌いじゃないです。むしろ好きです。映画『STAND BY MEドラえもん』にもストーリーとして組み込まれた「さようならドラえもん」という伝説の回のアニメを観て、子ども時代に毎回号泣していた土畠は、Zoomというテレビ会議界のジャイアンに立ち向かっていくMeetのび太に涙するのです。