しさくの広場2024 春 作品No.74_望月さみ 表現 朝6時 淋しさが薄れゆく スローテンポでさめるホットミルクに頬ずりの目覚め 玄関には新しい靴が口を開けて待っている きっと どこへだって行けるはず けれど いつもと同じ場所へ行く やわらかな匂いのまだつめたい風が すれ違いざま耳打ちをする ららるるららるるろろろ 口の中で転がる春のうた 新しい靴を少しずつ汚しながら 蕾ふくよかな桜へ 陽に潤むような挨拶を (望月さみ) しさくの広場2023夏 2023年度 作品 しさくの広場 詩作と思索