しさくの広場2024 春 作品No.51_みちなり 表現 つなぐ 緑の芽吹く頃、季節外れのおでんを二人、頬張った。帰り道、不慣れな間合いを揺れる二つの影が、やがて手を結んだ。 巡る月日、君はいつも笑い上戶だったね。そして時々涙する。大粒の雨が止むと、きまって虹を宿している。その輝きを両の頬いっぱいに架けるのは、僕のためでもあろう。 暖かい季節がやってくる。おてんばで繊細な君の笑顔も、秘めた色々も、僕は静かに受け止めよう。 ねえ。おでんの具、大根が好きだったよね。 (みちなり) しさくの広場2023夏 2023年度 作品 しさくの広場 詩作と思索