Works

しさくの広場2024 春 作品No.47_阿呆木 種

諦念日和

梅の曇りに 老いたる心や
黒北風(くろぎた)すぼめる 脣に
遐き日章 たなびきて
目頭尖らす 烏合たち
からから騒げど 不変なり
酒を呑んでは よすがなく
突つ伏しタールの 味を知る
やがて生まれの 土偲び
つれづれ陽気は 失神す
諦念とおるる うなぢの熱に
肉のすべてを たてまつる
心曇りに 産み落つ梅よ
春風を待つ 愚かさに
いよいよ敷布(しきぶ)もせつないか

 

阿呆木 種