しさくの広場2024 春 作品No.39_柴太みかん 表現 「春」 幼い頃、母と兄と一緒に電車に乗った。 電車の窓を覗くと、雪解けの地面に春の草花が顔を出していた。 「ふきのとうだ」 と、兄が言った。 「フキノトウだ」 と、私も繰り返しながら、 通り過ぎる緑のうち、どれがフキノトウなのか分かっていなかったなと、 それに気付いたのさえ、それから何年後かだったな。 (柴太みかん) しさくの広場2023夏 2023年度 作品 しさくの広場 詩作と思索