短歌
水平線あなたの夢が叶うときぼくはいつでもエールを贈る
虹の色そっと見つめた君のことあの空にまで恋は響いて
世を愛し世に愛されて今は風あなたのことは忘れられない
ペルセウス星のまたたき近いほど勇気をくれる一人の夜に
夕闇を二人歩いたあの頃を思い出すたび少しせつなく
雨音に今は包んだ悲しみを巡る季節が時に浮かべる
少女には恋の証もおまじないオルゴールただそっと流れて
やさしさをくれたあなたの横顔はせつないほどに青の肖像
三日月の果てを心に留めては今君だけを待つぼくがいる
とんぼのようなきままな風にスイスイと泳ぐあなたの香りはきれい
寂しくて心の兎はしじまへと涙のままに瞳を伏せる
まだはやい朝の思いに夢ひとつ今日一日をステキに生きる
荒野には涙の花が咲くと云う愛に残した美しい花
恋をしてそっと見上げる星空にあなたの声が響いて映る
キネマへと移るくらいの失恋もぼくを育む心の一つ
深海魚マリンスノーに憧れてゆっくりゆっくり眠りの中へ
小鳥のようひっそりと今はばたいた君の頬には風の祝福
サティだけ雨に染まったこの部屋で君を抱いてた冬の過去形
ありがとうあなたのことは幻にしたくはないと心が叫ぶ
命には小さな舟が揺れながら明日に向かって進むチカラが
(坂井 傑)