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第26回みらいつくり読書会_開催報告

古典を読む。
世界を旅する。
みらいをつくる。

第26回読書会を開催しました。
【日時】
2021年5月10日(月)16:00〜17:00
【課題図書】
G・ガルシア・マルケス『予告された殺人の記録』
【参加者】
7名(うちラジオ参加2名)
【板書記録】

「自分が殺される日、サンティアゴ・ナサールは、司教が船で着くのを待つために、朝、五時半に起きた。」
マルシア・ガルケス本人が最高作と呼ぶ『予告された殺人の記録』はこのような文章から始まります。
書き出しからわかる通り、またタイトルからもわかる通り、本書では一つの殺人事件が中心に据えられています。
殺されたのはサンディアゴ・ナサール。では、殺したのは誰なのか。
もし、日本でこの事件が裁かれたなら、翌朝の新聞には、加害者の名前がはっきりと書かれることになります。
この事件の「犯人」は、パブロ、ペドロという双子の兄弟です。
もしこの事件が『名探偵コナン』の中で起きたなら、「犯人は誰だろう」「トリックは何だろう」と考えてドキドキするのでしょう。
もしこの事件が『古畑任三郎』の中で起きたなら、「犯人がどうやって追い詰められていくのだろう」と楽しむのでしょう。
『予告された殺人の記録』では、たとえ誰が被害者かわかっていても、誰が加害者かわかっていても、「ネタバレ」にはなりません。

「一つの事件がある。被害者がいる。加害者がいる。加害者は裁かれ、罪を償う。」
当たり前にそのように考えてしまう私は、あまりにも「個人」で物事を考えすぎているのだと思いました。

次回の課題図書はJ.L.ボルヘス『伝奇集』。
ラテンアメリカ文学、第3弾です!