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第19回みらいつくり映画同好会 開催報告

1月14日(木)に第19回みらいつくり映画同好会を開催しました。

課題作品は『サーミの血』、

参加者は8名(内ラジオ参加3名)でした。

以下のような感想の交流がありました。
・サーミ人を知りませんでした。アイヌのことも考えながら観ました。うちにも娘が二人いるので可愛いなと重ねながらみました。
・いじめられるシーンは見ていて苦しくなりました。研究なのかわからないけれど、服を脱がせて写真を撮るシーンがとても暴力的でした。写真が暴力になるんだなと思いました。主人公はスウェーデン人にも受け入れられずサーミ人にも受け入れられません。分断は、二項のどちらかがではなく、その間で揺れる人たちにとって苦しいものなんだと思いました。
・若い頃だけの主人公をみると、自分を縛っていた民族から解放されたようにも見えます。しかし、冒頭のシーンや最後の方でも、背景に踊る若者たちと、主人公のおばあさんは強烈なコントラストで描かれています。そしてサーミ人の暮らしとの間には、分厚い窓ガラスがあることが象徴的でした。
・自分自身のアイデンティティ、いわゆる自分の固有な部分を恨みながら年老いていくことが描かれていました。姉と妹について、どちらが解放されて生きているのかを考えると妹だと思いました。自分のルーツを自らを縛るものとして捉え、そのまま年老いていった人の話だと思いました。サーミ人を一番差別しているのは主人公自身だったのかもしれないと思いました。その悲しみが伝わってきました。
・途中は、ちょっと無理があるかなという展開もありました。
・暗い映画でした。笑いが一つもない。でもおもしろかったです。
・差別の形が場所によって違いました。山の麓の村と町とでは違いました。町では興味の対象となりますが、山の麓の村ではより知っているのでひどい差別をしていました。人は実態を知らないから差別をしてしまうのかと思っていましたが、そうではなくて、知っているからこそのひどい差別もあるんだなと感じました。