Works

シロアムのキセキ 〜See how miraculously God has brought Siloam so far〜

私達は「困難を抱える人々とともに、より良き社会をつくる」ことを理念に、
人工呼吸器など高度な医療を必要とするような方たちが、自宅で生活をし、社会参加していくための社会づくりを目指している法人です。
業務としては、訪問診療、訪問看護、訪問リハビリ、短期入所、在宅介護を提供しており、患者様の6割が小児であることも特徴です。

 

シロアムの園との関わりは、代表の公文先生が2015年の夏に来札された際、当時まだ立ち上げたばかりであったシロアムの園について、
その構想とケニアという国の現状も交えて講演をしてくださいました。

 

国、制度、文化が違うところながらも、医療の提供はもちろんの事、こどもたちが人とのあたたかい交わりの中で
教育を受けてキラキラ輝きながら育ってほしい、またそのためにその家族や社会自体にも働きかけたいというところは共通しており、
さらに公文先生はそのお人柄、情熱、構想、子ども達のかわいさなどで一瞬のうちに私達の心を虜にしました。

 

今回は色々な人に今回の経緯を知ってもらうための動画、
「シロアムのキセキ(軌跡・奇跡)」を作成しました。

(シロアムの園についてはこちらから→https://www.thegardenofsiloam.org)

 

まずは動画をご覧ください!
動画メイキングに関してご興味のある方は、この後の解説にもぜひお目通しいただければと思います

 

 

動画の原案は、映画「こんな夜更けにバナナかよ」の医療監修も担当した当法人の土畠理事長。
その理事長の「ドローンを使ったみたいに撮影したい」などなかなかの無理難題を一つ一つ具体的なシーンに起こし、実現したのが映像ディレクターの浅里のぞみです。

今回の動画づくりでこだわったところを聞いてみたところ、
「実際にアフリカに行って撮ってきたかのようにリアリティをだすように心がけました。」
とのこと。映像効果もできるだけデジタルを使わず、ほぼ手作りです。

日本から届いた車椅子にはじめて乗った得意顔のぞうさんのシーンもなんと10テイクの試行錯誤を繰り返しています(人形操作は事務員の向:「転がっている途中に串が抜けちゃうのが大変でした」)。
よくみると、ちゃんと転がる前に反動をつけています。これは、演技というよりはこうしないと登らなかったのですって!

 

手づくりにこだわったのは、音も同様です。こちらは、看護師・介護福祉士・アフリカンドラム叩きでもある梅村圭が担当しました。

ところで私達は撮影室や編集室をもっているわけではありませんので、なんと診察室に太鼓5台をはじめとして様々な楽器を所せましと拡げて録音しました。
彼の頭の中で膨らませた音を実現するのに一つ一つの楽器の音を撮り、それを幾重にも重ねています。一番多い所は5重になっているそうです。

数少ないデジタル音(前述のぞうさんの転がるシーン、車いすや送迎車両が届いたときのピンポーン、そして新しい土地での風の音)も、
8割がた出来上がった動画を朝の職員ミーティングで皆に見てもらって、そこであげられた意見を採用したものです。すべて本気で作りました。

 

この文章を書いているアロマセラピスト目黒(ケアをする母親のケアのためのアロマ)は2016年に車椅子を携えて
シロアムの園に伺ったことがあるのですが、今回の撮影の手作り感満載の小道具や、英語サブタイトル、
そして登場人物たちがぎゅうぎゅうになった現在のシロアムの園からぽ〜ん!とはじけ出る場面で関わっています。

映像ディレクターの浅里と、タオルの上に登場人物たちをのせて何度もほうり上げてみて、、、最初は全員どこか一方に落ちてしまったり、
タオルが写ってしまったりなど色々ありましたが、最終的に採用になったものは、いかがでしょうか、やればできるんだな〜と学んだ楽しい経験でした。

 

長くなってきましたが、最後に登場人物の紹介をさせてください。

ピンクのぞうのきょうだい「おとうと」「おにいちゃん」と黄色い「うさぎ」は、以前こちらのサイトでファンドレイジングをさせていただいた絵本「ぼくのおとうとは機械の鼻」(https://readyfor.jp/projects/mylittlebrother)の主人公たちです。
鼻マスク式の人工呼吸器をつけ、胃ろうなど医療的ケアを必要とする「おとうと」とその「おにいちゃん」のお話で、
この人形たちは絵本編集者の妹さんが羊毛フェルト、樹脂粘土、また編みぐるみで手づくりしてくれました。

三頭いる羊毛フェルトのキリンは、公文先生のお土産としてケニアからやってきました。同じくケニアにあるNGOSave the children centreの運営する児童養護施設マトマイニ・チルドレンズ・ホーム(希望の家)で、都市スラムのシングルマザーたちの自立援助活動等の一環として一つずつ手作りされたものです。

そして中央にいるぞうやキリンよりも大きいハムスターには「コモユキ」という名前がついています。
かつて私達が訪問していた女の子が、かかわる職員一人一人を動物(なかにはマッチ棒もいましたが)に譬えるのがとても上手で、
それぞれの名前を付けたぬいぐるみを手で操りながらお話してくれていました。このコモユキは、その子が「ともゆき先生」(理事長のことです)と呼んで大事にしていたぬいぐるみをいただいたものです。

座っているときの背中のフォルムが・・・確かに他人とは思えません。

しかし今回は公文先生役で登場してもらっていますが、体型がかけ離れているのにかかわらず、最後の写真と重なった後に繰り返し動画をみていると、もう公文先生としか見えなくなるから不思議!!

 

そんなこんなで心を籠めて出来上がった動画をどうぞお楽しみください!

 

医療法人稲生会 生涯医療クリニックさっぽろ アロマセラピスト・社会福祉士
目黒祐美子