Works

第1回『しさくの広場』作品No.001


week2「交流週」
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私は、言葉にすることはとても大切なことだと思っています。しかし、言葉にすることで失われてしまうものもあるような気がしています。そんなことを考えました。
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伝える難しさをいいんだよって受け止めている感じがすごく素敵だなと思いました。
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今まで、がんばって言えた言葉はなにかありましたか?
どんな気持ちになりましたか。

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さとしさんから後藤さんにあてた、『ありがとう』の気持ちが伝わってきました。

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特定の誰かに送ったような手紙に見えますが読んでいる僕もなんだか勇気づけられる詩でした
あいうえお作文なのかそれとも隠された縦読みなのか
どちらにも見えますね
絵や色も含めて人と人との温かい関わりが表現されていてとても気分が良くなりました


week3「推敲週」

これが詩なのかわかりませんが、ずっとお財布の中にいれているお守りのようなものですが、なんだか大切だと思ったので公開します。
このカードは、前職で関わっていた男の子がくれたものです。

アルコール依存の両親に育てられた、S君は、繊細で優しい子でした。
家に安らぐ場所がなく、悪さをしたりして、警察のお世話になったりしていました。姉と弟に挟まれて、家庭の中でバランスを取るような子でした。
中学を卒業し、頑張って通信制の高校に進学しましたが、あと少しのところで中退し、知人のもとを転々としていました。Sくんはいつも着ぐるみのような目立つ格好をして現れました。(リラックマみたいな?)そして「今日も警察に職質された(職務質問)」と嬉しそうに話すのです。孤独な養育環境の中で私には「僕を見て欲しい」というように感じられていました。直接言葉で自分の気持ちを打ち明けるようなことはしない子で、いつもへらへらして、何か核心に近づくようなことがあるとスッとかわしてしまうような所がありました。嘘がとても多く、何が本当のことがわからない話が多かったですが、私は追及したり、正したりすることはしませんでした。
彼は次第に精神のバランスを崩して、精神科に通院するようになりました。そんな中ある事件を起こし、保護観察中に私の元を訪れました。私「よく来たね。元気だったかい?心配してたよ」「ゴトーさん、ここしか俺行くとこないんだわ。」とS君はポツリと言いました。それから彼は、時々訪れては「ゴトーさん、一緒に食べよう」とお金もないのに必ず何か買ってきて、よく面談室でパンを分け合って話をしました。
その後、なんとか精神科のグループホームに入所しましたが、精神症状が悪化し、閉鎖病棟に入院することになりました。私はその春職場を退職する予定になっていて、最後に病院に会いに行くことにしました。病院の面談室で彼は「俺、ゴトーさんに何のお礼もできないけど」とこのカードをくれました。私は、彼に木の卵を渡しました。彼がお母さんのお腹の中からやり直したい気持ちがわかっていたからです。最後に「どんないのちも大切だよ」と伝えてさよならをしました。
私は彼に取り立てて何かしたわけではないのです。電話がかかってきたら他愛のない話に付き合い、笑い、いつでも連絡してもいいことを伝えて、いっしょに食べ物を分け合って食べたり、一緒に夕日を見ながら家まで送ったりしただけです。
でもS君は私にたくさんのことを教えてくれました。