イランカラプテ!
第9回目のアイヌ食講座は【ポネオハウ(pone-ohaw)】でした。
講師は、二風谷出身のアイヌ 関根摩耶さん。
ミニ講座は【アイヌの行事食】がテーマでした。
さて、今回のレシピ【ポネオハウ】は骨付き肉をコトコト煮てだしをとり、野菜などを煮込んだ料理(汁物)です。道東にある阿寒町阿寒湖周辺では豚肉、道央の平取町二風谷では鹿肉を使うことが多いそうです。ポネオハウは500円玉くらいに小さく切った骨付き肉を1日以上かけて煮込みます。煮込む際に蓋をしてしまうとスープが白く濁ってしまうため蓋をしないで煮込みます。摩耶さんはこのことについて祖母から『スープに息をさせないと白く濁る』と教えられてきました。
摩耶さんの祖母が食堂をひらいていた頃、ポネオハウをベースにコタンラーメンをつくっていました。(豚骨ラーメンや牛骨ラーメンはアイヌのオハウが起源である‥との記事が北海道新聞に掲載されたそうです)スープに利用した野菜の皮は土に埋めて肥料にしたり染め物に使うなどしていたそうですが、食材をムダにしないアイヌの知恵や文化は本当に素晴らしいなと感じます。オハウの材料として、人参、大根、ごぼうなどの根菜類はよく使用されますが、山菜が身近な食材であったアイヌにはネギなどの薬味は比較的新しい食材だそうです。
~アイヌの行事食~
摩耶さんの実家では、お正月に特別なアイヌ食を食べることはありません。アイヌで特別な食事を食べる場合は病気や伝染病などに罹ったときだそうです。
アイヌで古くから伝わる行事としては、
sonkaci(ソンカチ):正月→アイヌでは1年を夏の年、冬の年の2つで捉える
asiripa(アシリパ):新年(ゴールデンカムイのキャラクターの名前としても有名ですね!)
icarpa(イチャルパ):先祖などを供養するため食物などをまく行事。春と秋、それ以外にも比較的いつでも行う。コチラから送った供物は先祖の国では何倍にもなるため少量で良いとされる。
iyomante(イオマンテ):熊の霊送り→必ず用意される供物として、トノト(御神酒)、シラリ(酒粕)、シト(団子)、チサッスイェプ(いなきびご飯)、スケトウダラの塩煮、ボツボツ(南瓜と豆の混ぜ煮)、シケレペキナラタシケプ(ヒメザゼンソウのお浸し)、チポロラタシケプ(筋子とじゃがいもの混ぜ合わせ)があり、カムイオハウ(熊肉の汁)は儀礼の進行に伴いつくられる
今日のレシピ、講座もとても楽しかったです! そして、ケラアン!!
(本日のレシピは、みらいつくりレシピ内でご覧になれます)
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アーカイブはメンバーページ内にありますので、ぜひご覧下さい!!
次回は1月23日㈪です。
ぜひ、ご参加をお待ちしています!
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イペアンロー(いただきます)
ケラアン(美味しい)!!
ヒンナ~!(食材に感謝)