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第21回みらいつくり読書会 開催報告


みらいつくり大学校企画
第21回みらいつくり読書会@zoom

【課題図書】
トマス・モア『ユートピア』

【実施日時】
2021/2/1 16:00〜17:00

【参加者】
A,B,C,D,E(+ラジオ参加1名) 全6名

【内容】
A:今日は『ユートピア』ですね。思ったよりも長かったですね。
B:長かった。
A:早速ですが、みなさんはどの訳を読んだでしょうか。岩波が多いでしょうか。
B:何種類かありますか?
C:岩波です。
D:僕は中公文庫です。
A:私も中公文庫にしました。
B:中公文庫から出ているんだ。
D:「改版」とあります。
B:分厚くないですか?
A:厚いかな?
B:岩波はこれくらいです。
D:訳注が50ページくらいありますね。
B:こちらはほとんど訳注はないです。数ページです。…そもそも訳注ではなく原注でした。訳注はないんですね。
A:ちなみにEさんはどんな感じですか?
E:私はオーディオブックで、英語版で聴いたんですけど、誰が訳していたのかとかはわかりませんでした。3時間51分でした。
B:英語版って何で聴いているんですか?オーディオブックって。
E:マイブック・パブリッシングハウスってところが出しているんですけど、iTunesから落としました。
B:iTunesね。Youtubeでも古典ならありますよね。
E:でもYoutubeでは断片的になっていたんですよね。
B:『アニマル・ファーム』も『ユートピア』も、全部3時間4時間くらいでありました。なんでもありそうでしたよ。大体。有名なやつは。
E:へー。いいですね。今回はそうやって購入したんですけど、ラテン語から訳した人も誰かわからないし…っていう感じですね。
B:Youtubeだと基本的に無料ですよね。
E:そうでしょうね、きっと。ちょっと今度はYoutubeで探してみます。でもYoutubeだとWi-Fiがないとだめですね…。
B:そっか。
A:中公文庫には、「ラテン語から訳したものが日本にはない」「英語からの訳しかない」というようなことが書いてありました。そんな問題意識があって、ラテン語から直接訳したみたいなんです。
B:それを新版としたんですね。
A:改版でしょうか。
B:でも改版は第2版ということじゃないかな。
A:そうなんでしょうか。元々は『世界文学全集』に載っていたものを、文庫にしたと書いてあったような…。
B:はいはい。中公といえば『世界文学全集』ですよね。へ〜。そうなんだ。
A:みなさん読めましたか?結構厚かったですよね。
B:Cさんは例のごとく読んでないですか?
C:それが、自分がどこまで読んだかわからなくて。
B:どういうこと?
C:なんか、今回私も進化をして。まず、札幌市図書館の電子書籍でかりたんです。なおかつ読み上げ機能があるので、…。これで読んでくれるんだけど、自分がどこまで読んだか全然わからない。…。
B:なんだかモヤさま風の読み上げですね。
C:(読み上げてくれる)この人、機械だから、たまに変な表現をするんです。
E:そうそう。
C:だから、どこまで読んだからわからないけれど、なんとなく…。
A:「この人、機械だから」ってすごいですね。
C:はっはっは。
B:人じゃないからね。
A:今日は、あらすじを紹介する必要ないかなと思いつつ、全体の流れとして、私が不安なところがあるので確認をしてもいいですか?「こんな構造かな」と私は思ったものがあるんですけど、共有させていただきます。
B:はい。
E:すごい。
A:まず、始めに「詩と書簡」があります。
A:あれ?まず「ユートピアに関する詩と書簡」から始まっていますよね?
B:第一巻としかないですね。
A:それが違うのか。中公文庫にはそれがたくさん入っています。だから長いんですね。
B:詩と書簡、があるんですね。
A:「ユートピアに関する詩と書簡」として、『ユートピア』を読んで色々な人たちがやりとりをした手紙や影響を受けてつくられた詩が書かれているんですね。
B:最後に、トマス・モアからピーター・ジャイルズへの手紙、というのは入っています。それは作品の中でしょうか。これは作品の一部ですよね。
A:そうですね。私は、この最初の部分、最後の部分が作品の一部かどうかわかりませんでした。
B:はいはい。
A:「詩と書簡」の部分が特に。
B:おそらく、作品の外部だと思います。
A:そもそも、作品の外部かどうかを曖昧にしている、そこがこの作品の面白さかと思いました。詩と書簡に関しては、ついている本とそうでない本があるようです。第1部では、モア(私)、ピーター、ラファエルが、会話をしています。あっていますか。
B:あってます。
E:そうです。
A:そして、主な内容は、ラファエルにイギリスで議員として働くように、と勧めている。
B:もう忘れた…。どんな感じだったかな。
A:ラファエルは、それは嫌だ、と断り続ける。だったら、あなたの話している「ユートピア島」についてを教えてください、となる。ラファエルはそれならいいでしょうと答えて語り出す。ラファエルの語ったことをモアが聞き取って書いているのが第二巻。ですよね?
B:一巻でもある程度話していますよね。ユートピアについて。こういう話をしました、というまとめではありますが、ユートピアについて話は入っています。
A:そうですね。話してはいるけれど…。
B:もうすでに第一巻から始まっていて、なんで一巻と二巻を分けたんだろう、と思った記憶があります。主題ではないかもしれませんが、もうすでに話していませんでしたっけ?誰か他の人どうですか?
E:全然聴き取れずわかりませんでした。
C:ね。
B:第一巻では全く話していないんでしたっけ?
D:出てきているよ。
A:全くではないですね。
D:出てきているね。
E:うん。
B:さわりの部分を話して、本格的な話を聞くのが第二巻。
A:そう。
B:その構成がまた不思議だなと思ったんです。
A:で、最後に、モアがピーターに宛てた手紙がつけられている。それでおしまい。
B:そっか、このピーターって第一巻に出てくるんだ。
A:かと思っていましたが。第一巻で話しているピーターのことかな?と思っていました。
B:本当に外国人の名前は頭に入らないです。誰かとかがイメージできない。ピーターって出てきたっけ?…いたいた。そういう構成にしているんだ。最初の「詩と書簡」は誰が書いているんですか?
A:「詩と書簡」は、色々な人たちです。最初にはエラスムス。
B:有名ですね。人文学者。
A:その人かわからないけれど、そういう人。1ページ、2ページとかいう書簡がたくさんついている。
B:それって多分出版されたユートピアに対するいわゆる献辞じゃないけれど、この本は面白いよということじゃないですか?
A:うーん。
B:作品とは全然別だよね。
A:ただ、トマス・モアがピーターに挨拶、というのもあるんです。
B:それってジャイルズのことですよね。それって最後の手紙じゃないんですか?
A:その前にもついているんです。
B:そうなの。
A:「詩と書簡」の中にもあるんです。
B:ピーター・ジャイルズは実在の人だったんでしょうか。
A:それがわからないんですよ。
B:ラファエルは実在の人?
A:実在じゃないと思って読んでいるんですけど…。
B:ふふふ。ピーター・ジャイルズまでは実在なんだろうか。
A:だから、すっかり「詩と書簡」もトマス・モアの創作なんだと思っていたんです。
B:調べると…ピーター・ジャイルズは実在でエラスムスの友人、とありますね。
A:あ〜。
B:実在ですね。ラファエルは、モアの創作みたいです。
A:そうなの!余計に複雑だということがわかってきました。内容を押さえられたような、押さえられなかったようなですが、感想を話していきましょう。
A:今話をしていた通り、構造がぐちゃぐちゃだということから、読んでいて混乱しながらいました。私が読んだ本の訳者の澤田さんは、ラテン語から直接訳したけれど、実は大失敗しているんじゃないかと思いました。
B:澤田さんのせいなの。
E:ふふ。
A:だから、正穂さん。
B:岩波のね。
A:私は正穂さんを信頼していたので、あっちにすればよかったーと思いました。
B:なんでそっちにしたの。
A:最初、あっちの方が簡単だったんじゃないか…と思ったんですが、だんだん面白くなってきて、第二巻はとても楽しく読みました。
E:ふ〜ん。
A:何が面白かったかというと、構造の話もそうなんですが、現実をフィクションがもうごちゃごちゃになっているところです。それが『ユートピア』の面白いところだなと思ったんです。読んでいる方もぐちゃぐちゃになっていく。どこまでがユートピアのことか、どこまでがユートピアのことじゃないのかがわからなくなってくるなぁと思いながら読みました。第二巻に書かれているユートピアに関しては、『ガリヴァー旅行記』を思い出しながら読んでいきました。最初、『ガリヴァー旅行記』の最後の島…。
B:フウイヌムね。
A:そう。フウイヌムと一緒で、最初は「ここはいいところかな」と思って読み始めました。やはり、だんだん嘘っぽく感じてくる。いいことを言ってそうなんだけれど、実は矛盾をはらんでいる。戦争を絶対にしない、でも戦争をしないための戦争ならする、ということが書いてある。政治についても、死についても、宗教についても。色々な宗教が認められているけれど、唯一の宗教に合一しつつある、とか。やはり、理想のように書いてあるけれど、そこには矛盾がある。最後の方になって、「公共の福祉」というのが出てきます。宗教のところで、「公共の福祉が何よりも優先される」とありました。こないだDさんが触れていた日本国憲法の…。
B:改正案ね。
A:そう。草案。それを思い出して怖かったです。公共の福祉って聞こえはいいけれど、最初はいいんだけれど、よく考えると怖い言葉です。これはユートピアについて書いてあるんだけれど、実は理想の場所ではないんじゃないかと最後には思うようになりました。解説を読んでみると、ユートピアという言葉の意味は「ない所」であるとありました。こんな理想なんてありえない、ということを主張しつつ、イギリスの国の状況、当時の現実世界をいかに相対化するかという目的のために、物語として書かれているんじゃないかと思いました。Dさんが前にも言っていた「物語の意味は、現実を相対化すること」、を思い出して、その通りだなと思いながら読みました。ディストピア小説、『1984年』もそうだし『動物農場』もそうですが、『ユートピア』はそれらとは逆なのかなと思っていましたが、行き着くところは一緒というか、私が感じたことは一緒でした。そこも面白くて、夜中に読み終えましたが、一人高まった状態でした。みなさんいかがですか?最近、Cさんから話していただくことが多かったので、みなさんのを聞いて最後にCさんにお願いしてもいいですか?
B:ラディカルなCさんは最後に。
C:大したことしゃべれないから一番最初の方が楽なのに。
A:あ…。こないだ文字起こしをしていて、「私ばっかり最初じゃないですかー」って言っていたから…。
C:言ってましたか。でもいいです。本当にペラペラの感想ですから。では私から。
B:結局先なんだ。
C:だって、すごいことをみんなしゃべりそうだから。これはやばいぞと思って。
B:どうぞどうぞ。
C:ありがとうございます。私は、どこまで読んだかわからないんですけど。
D:ふふふ。
A:ははは。
B:はっはっは。
C:ですけど、これを作っているトマス・モアはすごく楽しかっただろうなと思いました。
B:お〜。
C:だって、自分で、想像しながら法律とか国のこととか、宝飾品をこうゆう使い方をしたらみんな平等に感じるんじゃないかと考えながらいたと思います。つくっていた時、私たちの世代でいうと、ドラクエとかファイナルファンタジーとかを一番最初に作っている人たちの気持ち、開発者の気持ちだったんじゃないかと思うんです。すごい色々な空想、この島はこんなもので、あの川はこんな感じ、あの街はこんな感じで、ってすごくワクワクしていたんだろうなと思いました。どこまで読んだかわからないけれど、読んでいて、聞いていて思いました。すごく面白いと思ったのは、金とか財宝の扱い方です。私が経験したり学んだりしたことのある感覚ではありませんでした。金というものに対して、牢獄にいる人につけたりする。他の国においてはものすごく価値のあるものだけれど、実際、銅とか鉄じゃないから、それだけで使うことはできません。そんなことを考えると、金ってそんなに価値のあるものではないんじゃないかと思いました。むしろ、そういうものじゃない方がいいというのは、宝飾品に対する価値観が面白かったです。以上です。
B:結構読んでるね。
A:Cさん、半分以上読んでますよ。
C:本当?、半分以上いってる?えーそうなんだ!
B:ふふふ。
C:え〜すごい!
D:読み終わっている可能性もあるよね。
C:はっはは。
A:ふふふ。
B:はっはっは。
D:自分で気がついていないだけで。
B:確かに確かに。
C:確かに。これのすごいところは、茶碗洗っていても、洗濯をしていても、最悪歯を磨きながらでも、勝手に読んでくれるんです。
B:そうだよね。
C:そう。なおかつ、枕元で勝手に消えるんです。旦那が消したんだと思うんですけど。だから勝手に進んでたっていう。どこまで聴いてたんだっけっていうのはあるんだけど。
B:多分、消してくださったんじゃないですか。
C:消してくださっている…。
B:勝手に消えるんじゃなくて。本人が気がついていないわけだから。
A:まさに、フィクションとの境目がなくなるというトマス・モアの思惑通りですね。
C:うん。このシステムいいなと思っています。そう思いました。
E:私も実は今回何かしながら聴いていて、ほとんど耳に入っていないっていう。断片的に聴こえてきた描写が面白いなって思っていました。朝に勉強会をする、講習会みたいなのが用意されているとか。みんなが職業を選べて勤勉だというのも、これいいなと思いました。住みやすそうだなと思ったんです。でも中途半端だなとも思いました。ユートピアっぽくない、理想郷っぽくはないんだなと。1516年っていう時代的背景があるのかもしれないけれど、奴隷制度があったりとか、男女の関係性がどう見ても差別的だったりとか。あとは…ちょっと忘れましたけど。病気の人の話が出てくるんですよね。障害の話は出てこない。時代的なことはあるんだろうけれど、せっかくどこにもない国をつくる、捻り出したんだとしたら、中途半端かなと思いました。パスポートの話も、どうしてこんなことをわざわざ書く必要があるのかなと思う描写が多かったです。個人的にはそう思いながら聴いていました。
B:障害の話って出てきていますよね?
E:ありましたっけ?
B:なんだか、奇形の人は〜とかって出てきたと思います。
E:そうですか。私聴き逃しているんですね。どんな感じなんですか?
B:えっと、そんなに…結婚のくだりのところで…。
E:ふ〜ん。
B:結婚したけれど、奇形があるからやっぱりとかいうことは許されないとか。そもそも、奇形がある人とかを笑うことを最大の恥辱であるとあります。笑われた人だけではなく、笑った人も不名誉であると。どうすることもできない身体上の欠陥を、あたかもその人の罪であるかのように咎めることは、人間として不謹慎の誹りを免れることはできない。って書いてある。
E:面白いですね。
B:だから、割とラディカルですよね。当時から考えると。
E:そうですね。聴き逃していましたけど、それは面白いですね。ありがとうございます。
D:…大丈夫ですか?
A:動いているかな?
D:あまりネット環境があまり良くない…?
C:動きました。
D:ガリヴァーの元ネタとして読みました。途中から、乱暴に読みました。速読を普段はしないんですけど、結構雑にパラパラパラと読みました。だから、あんまり意味が把握できているか自信がありません。
B:ふふふ。
D:早く解説が読みたくて。早く!って。急いで読みました。読みながら、思い出したことが2つありました。一つ目はキブツ共同体です。イスラエルにある、なんだっけ?アブラハム…なんとかって人が作った?ルーツは共産主義なんですね。そういうものを思い出しました。理想の共同体を作ろうということですよね。今もあるんでしょうか。私有財産がないコミュニティで、みんなの子どもをみんなで育てるといったようなこともやっている。結構そのルポを書いている人もいて。日本でも、ヤマギシ会とかあるじゃないですか。ああいうのも、キブツを意識していると思います。そんなキブツを思い出しました。もう一つが、トクヴィルの『アメリカの民主主義』ってあるじゃないですか。めちゃくちゃ有名な。トクヴィルはフランス人かな?新大陸アメリカに行ったら、こんな社会制度で、だからアメリカって成長しているんだというようなこと。それを旧大陸の人に教えたんですよね。古典中の古典です。それも思い出しました。似ているんです。形式が。この社会ではこうなっているこうなっている。我々、旧大陸ではこうだから、学ぶべきだというようなことです。そういう語り口が似ているなと思いました。僕は、あとがきは、しっかり読みました。Aくんも言っていましたが、ユートピアって理想社会と勘違いしている人が多いけれど、そうじゃない。それは誤解だと。よく理想社会であるとして引用する人たちが用いるところって「一日6時間労働」の部分なんだって。で、「『ユートピア』という古典に、1日6時間労働、ということがある」と。そんな文脈で引用する人は、「ユートピアは理想郷だ」という理解をしている。でもそうじゃないんだ、と。「社会の最善政体」、最善な政治システムということと、「ユートピア新島」が、ラテン語で、「すなわち」ではなく、「そして」という助詞で結ばれていることが重要であると。ユートピアというのは社会の「最善政体=」ではなくて、社会の最善政体を考える上で、ユートピア新島を、補助線にして考えようということを、モアは言いたかったんだと。あとがきに書いていました。なるほどなと思いました。この本書の大黒柱は「無」であると言っています。澤田さんは。ユートピアとは「無いところ」という意味だから。その島の目撃者であるヒュトロダウスは「うそ博士」という意味なんだって。だから、そもそも無いものというものを論じている、トリッキーなことをしている。僕は、なんとなく、虚数のことを思い出しました。数学でありますよね、二乗するとマイナスになるってやつです。iで表される概念です。なんとなく、虚数解のようなものなのかな、と。ユートピアって。本当は理想社会っていうのは、私たちが生きている世界では、多分、語義矛盾というか、そもそも、理想社会への試みというのは、必然的に挫折するということが知られているから、無い場所としてユートピアを言った。「あえて考えるとしたらこうなるかもね」、ということを、虚数解のようにして示すことで、我々の住む実数の世界に生かすことができないか、と考えたのが、トマス・モアなのかなと。それが思ったことでした。そんな感じです。
B:僕もDくんと一緒で、早く終わらないかなと思いながら読みました。読書会、大体面白いんだけど、今回はめちゃ辛かったです。読書会は小説を読むもんだという頭があります。だから…、小説っぽくないじゃないですか。架空の国の説明みたいだったのもあります。あとは、これを元ネタにしている『ガリヴァー旅行記』を先に読んでしまったから。フウイヌムの感じも、ここに元ネタがあったんだなとか、あとは手紙が後ろにあるとか、現実とフィクションの境目がわからないとかいうことも、全部『ガリヴァー旅行記』に取り入れられてしまっていますよね。
A:確かに。
B:まあ、こっちが先なんだけど。それをスウィフトが取り入れた、そして小説っぽく組み込んだ。『ガリヴァー旅行記』を先に読んでしまったからか、うーんって感じでした。あとは、今年度、僕は、理学療法学科とかに放射線技師学科で、生命倫理という授業を教え始めたんです。その中で、安楽死の問題があるんですよね。そこでこの本が出てくるんです。安楽死を、取り上げた本、最古ではないだろうけれど、トマス・モアの『ユートピア』でも安楽死について触れられている、とあるんです。確かに、第7章にあるんです。これ以上長く生きない人がいて、その人がいわゆる死ぬことを選んだら、ということです。そうやってすすめるんだ、と書いてあって。「ここのことなんだ」とは思ったけれど、「ああそうなんだ」くらいでした。面白かったのは、結婚する条件の話。結婚前にお互いに裸で、互いを見る、とあります。
C:そんなのありましたっけ?
B:あるんです。それが面白いというのもあるんだけど、その後に結婚したんだったら、文句は無しね、という感じなんです。あなた、結婚する前に全部確認をしたじゃないですか、と。結婚した後に、基本的に離婚することは許されないわけです。よっぽど相手に問題がなければ。っていう、とてもカトリックちっくな、というか考えなんだけれど。さっき見たら、トマス・モアはヘンリー八世に徴用された人物なんですよね。ヘンリー八世って、いわゆる悪王と言われています。イギリス国教会として独立した原因を作った人なんだけれど。最初に結婚した人が、もともと自分のお兄さんの奥さんだった人。要するに、子どもを産めなかった、妊娠しなかったから、離婚しなきゃいけない。でもカトリックは離婚できないから。そもそも、カトリックの中で、自分の兄弟の奥さんを娶ることがゆるされていない?理屈を持ち出して、離婚しているんです。アンブーリンという、映画でいう『アンブーリンの姉妹』です。
E:観ましたー。
B:ナタリーポートマンがやっていた。ヘンリー八世は、自分の侍女と結婚したり、その後6回くらい離婚しているんだけど。その時に、トマス・モアが反対したんだって。離婚は許されないって。カトリックの立場で。それで死刑になっています。
A:へ〜。
B:モアがね。確かに『ユートピア』のなかで、結婚は神聖なものであるとされています。破棄できないとあります。それを地でいっていた人なんだなと思いました。そんなイギリスの歴史と重ねて読むと面白いなと思いました。あとは、シェイクスピアの作品で、トマス・モアについて書いた本がありますよね。
A:そうなんですか。
B:『サー・トマス・モア』っていう。多分このトマス・モアなんですけど。それを本で見つけることができなくて読めていないんですけど、それを読んでみたいなと思いました。多分、死刑になるところまで書いているんだと思うんだけど、シェイクスピアだったら…ちょうど2世代くらい前ですよね。1500年代ですもんね。一つ上の世代だと思うんだけど、シェイクスピアは、この人物をどんなふうにみていたのかなと興味をもちました。っていう感じで、次の作品に取り掛かっちゃったから。
C:え、何?
B:次の作品を選ぶときにアツく語ります。
C:ははは。
B:『ユートピア』はこんな感じ。
A:はっはは。全然アツくないじゃないですか。
B:すいません。
A:お互いの話を聞いていてもそうなんですが、私は読んでいてシェイクスピアも思い出しました。当然、シェイクスピアもこの本を読んでいただろうなと思いつつ、この中公文庫のあとがきには、「この『ユートピア』は対話的な構造をもった芝居だ」とあったんです。
E:へ〜。
B:そうなの?
A:はい。あ、それは本当に芝居としてやられていたというわけではなくて、澤田さんが舞台のようなものだと書いていたんです。
B:へ〜。
A:それはさっきDさんが言っていた、現実を相対化するための物語という意味がある、ということだと思います。そんなことを読みつつ、シェイクスピアの舞台、演じることを通して現実をどのようにみるかを考えていったことと似ているよなと思いました。そんなことを感じました。みなさん他にいかがでしょうか。まだ、次回の作品に行くにはまだ早いような気がするのですが。
D:ふふふ。
B:すいません。やる気なくて。
A:ははは。
D:さっきのキブツ共同体はモーゼス・ヘスでした。
B:はいはい。
D:で、イギリスの話に戻ると。去年読んだ本の中に、『フランス革命の省察』っていうものがありました。保守主義の原点なんです。この本が。で、古典なんです。それが、誰だったけな。
B:エドマンド・バークじゃなくて?
D:そうそう。バークです。1790年。結局、今の保守主義、コンサバティズムというものはここから始まったと言われていて。いわゆる進歩主義ですよね、フランス革命というのは。それを徹底的に批判したんですよね。伝統のもつ価値というものを言うんですけど。この本が、人生で一番読みずらかった本なんです。もうひどい。読みずらさが、ずばぬけている。
B:訳じゃなくて?
D:それは何かというと…。訳じゃなくて。手紙という体をなしているんです。バークが、フランスにいる自分の友人、イギリス人の友人に向けて書いている、という体をとっているんです。でもその友人は架空なのかな…その辺はわからないんですが。その体をとっていて、「フランスで起きたことについて僕は思うんだが…」と書かれています。手紙なんですが、ハードカバーの本で、章立てもなく200ページくらい続くんです。
A:ははは。
D:もう地獄なんです。本当に。苦痛でしかない。『カラマーゾフの兄弟』でも同じ人の話が50ページ続いたりしますよね。日が暮れているだろ、と思うんだけど。これは手紙だから。封書に入らないじゃないですか。明らかに。
A:もう立体になっていますよね。
D:もうありえないんですよ。
B:それ多分、動画で共有してほしいやつですね。
C:はっはは。
A:はっはっは。
B:「読めないから動画で共有して」って。
D:もうひどいんです。だから、手紙という設定を守っていないんです。そもそも長さが。そんな手紙あるかい!っていう。手紙という設定に縛られているから、章とかをつけられないんです。
A:はっはっは。
D:自縄自縛みたいになっていて。くそほど読みにくいんだけど、これが原典っていうから、一生懸命読んで。確かに学ぶべきものはいっぱいあったんだけど。言いたいのは、こういうことをイギリス人はしがちなのかなって。モアの『ユートピア』も、架空の対話という形を取りながら、自分の言いたいことを言うっていうか。大陸の、フランスとかドイツで、こういった類のものってあんまり僕は知らない。さっき言った『アメリカの民主主義』はちょっとそうだけど。別に、架空の対話という体はとっていない。イギリスの知性ってこういうやり口をしがちなのかなって思いました。イギリスって、経験主義っていうじゃないですか。大陸がなんだっけ。
B:大陸合理主義ね。
D:合理主義か。実念論と唯名論とかあるじゃないですか。そういうのでいうと、イギリスは、具体的個物にしか真実は宿らないと。観念みたいなものは軽蔑する。そうすると、対話という体を取らざるをえない。そんなことが関係しているのかなと思いました。
B:確かに、イギリス文学…イギリス人のメンタリティというよりは、イギリス文学の流れなんじゃないですかね。
D:あ〜。
B:次にこれをって思っている本は、英語で書かれているからイギリスの文学の範疇なんだけど、書いている人はポーランド人なんです。
D:はいはい。
B:だけど、手紙とか、登場人物に聞いている話っていうことなんです。
D:そっか。
B:だから、イギリス文学でそんな流れが…。Eさんの方が詳しいかもしれないけれど。
E:わからないです。ごめんなさい。
B:日本ってあまりね。
D:成文憲法がないじゃないですか。イギリスって。
B:うん。
D:で、コモン・センス。
B:コモン・ローね。
D:そうそう。コモン・ロー。じゃあ何に依拠するかというと、過去の具体的な事件、判例を根拠にするじゃない。それも、理念なんてものは信じないというもののあらわれなのかなと僕は思うんです。
B:うんうん。
D:ちょっと関係あるのかなと思いました。
A:成文憲法がないんですね。
D:そうなんですよ。
B:無いの。マグナ・カルタという憲法じゃないざっくりとした…。
A:あれはなんなんですか?
B:あれは大憲章といって、もうちょっと憲法よりも抽象的っていうか。あれに縛られて、それによって法律をつくっているわけじゃない。法学分野でもイギリスってめちゃ面白んですよね。
A:へ〜。そうなんだ。
B:ドイツは逆で。日本と同じで、成文法だから。その逆になる。成文法だと「解釈」になるんですよね。
A:高校生の時に勉強したことあるな…。
B:コモン・ローの場合、そもそも解釈しかないという前提ですもんね。
D:ワイマール憲法って、最高の憲法だったんだけど、その憲法で合法的にナチスがつくられてしまった。
B:そうそう。
D:そんなことがあるじゃないですか。イギリスはそもそも、最高の理念みたいなものを、信じていなくて。懐疑主義というか。そういうのがあるなと思いますね。
A:それってまさにユートピア。トマス・モアのやりたかった『ユートピア』を提示する意味ですよね。面白―い。
B:そもそも、これは1500年代だから、共産主義とかいう発想は全然ないはずですよね。
D:ないですね。
B:でも、内容はそんな話があって。だから、共産主義って明確に言われていなくても、こんな時代からそんなことを言っている人がいるんだなっていうか。いたんだなって改めて思いました。社会主義、共産主義とかっていうこと、まさにフウイヌムってそういうことですよね。
D:はいはい。
A:今の話とも繋がりますが、魂と肉体を比較しているじゃないですか。快楽のところで。魂=精神じゃないかもしれないけれど、1500年代はじめに、キリスト教的なことは当然すでにあるから…。
B:でもデカルトの前ですよね。
A:その辺り、気になるところです。あまりわかっていないのですが、グノーシス主義っていうじゃないですか。肉体をよくないものと捉える。
B:善悪二元論ね。
A:そういうところから影響を受けているんだろうけど、「デカルトより前なのにな」って思って読んでいました。
B:そういうものって、大陸とイギリスを比較すると、大陸ではできなかったんじゃないですか?(イギリスでは、)大陸でいうカトリックの主義に合いそうにないものも、理性的に考えてどうかということを考えられた。でも、トマスモアってエラスムスと同じく人文主義に分類されていて、理性とカトリックの教義とが矛盾する場合には、教義を取るっていうスタンスだったんだって。そもそも、大陸の人たちって、理性とかいうことよりも、カトリックの教義の方が強かったんじゃないかな。イギリスはちょっと距離もあったし、はすに眺めているっていうか。っていうところから、文学としては先にイギリスからそういうのが出たのかなって。デカルトはフランスですよね。その後だもんね。ガリレオは…。どこだ。
D:イタリア?
A:ローマ。
B:イタリア。そうだそうだ。そう考えると、イギリスの方が進んでいたのかもしれないよね。
D:イギリスは知のあり方が大陸とずいぶん違うというのはよく言われますね。
B:ジョン・ロックとかも全然後ですよね。
A:それはシェイクスピアを読んだ時にも結構思っていて。シェイクスピアは明らかに精神と肉体を分けて考えている。「…だよな」と思いながら、近代前夜。これまで、そんなことを考えていたので、今のはスッキリする話でした。
D:面白いですよね。島国っていうのもありますよね。地勢的に。
B:そうそう。
D:中国の儒教の古典って、日本に来ると変な発展をしますよね。そういうのとも似ているなと思いますけどね。デイヴィッド・ヒュームというイギリス経験論の大家がいます。ルーツになっているような人がいて。その人の有名な言葉で、「今日太陽が昇ったからといって、明日昇るとは限らない」というものがあります。明日昇ったことを見るまではわからないということです。徹底的に懐疑しているわけです。
B:懐疑ね。ふふふ。
D:いわゆる原則みたいなものがあって、そこから演繹するということを拒絶するんですよ。現実を見て、帰納的に考えていく。そういう方向しか彼らは認めない。それが、コモン・ローにもなっていく。そういうことだと思うんだけど。
B:その、デイヴィッド・ヒュームの影響を哲学的に受けた人がカントなんですよね。
D:へ〜。カントって、フランス人?
B:ドイツ。ドイツ人。だから、ドイツ啓蒙主義、ドイツ観念論ってあるじゃない。あの辺って、イギリス経験論の影響を受けて、いわゆる理性みたいなものをどう捉えるかっていう話になっている。だから面白いよね。はすに見ていた側の影響を受けて、大陸合理論側が変わっていく。
D:往復運動はあるよね。
B:でもイギリスは、その後もずっといわゆる懐疑主義、経験論的なものを引き続いてもっていき…。
D:あると思うよ。
B:だから数学とかね、そっちがイギリスでは盛んで。でも文学においても、ジョージ・オーウェルなんかを見ると、何百年前と同じようなスタンスで、作家が書いているんだなって思う。
D:実は、究極的には、ブレグジットとかも、そういうところも関係しているんだよね。多分。EUって観念の共同体なんですよ。いわゆる民族とか言葉の違いとか、そういう、土とか、血とか、そういったものと乖離したところにある理想でまとまろうという話だから。そういうものって、イギリス人の本性に、そもそもフィットしていなかったという可能性がある。っていうのはありますね。
B:そういうと、Eさんどうなんでしょうか。宗教でずっと争いが続いているじゃないですか。そっちの争いもずっと続いているじゃないですか。あっちの方が観念の共同体をつくろうとして、統一しようとしているよなと思うんですけど。
E:私は難しいことはあんまり考えていなかったのですが、イギリス人と、友達として付き合っていると、結構観念的だと思うんですよね。
B:あー。
E:ビジョンとか、ミッションとか、そういうものをすごく大事にしている。でもすごく現実的で、とは思うんですが、島国的な特徴はすごくあります。EUに対しては、メリットがあるから入っているというだけで、共同体みたいなつながりはあんまり…つながりを感じている人はあまりいなかったよな、と考えながら聞いていました。
B:でも、今回、みなさん抜けた方がメリットがないとわかっていたにも関わらず、賛成した人がある程度いたってことなんじゃないですかね。
E:年齢が上の方は、ですよね。若い人たちは、ブレグジットに反対派が多かったですよね。
B:あ〜。
D:うんうん。
B:そっか、いわゆるイギリスでも、イギリスであっても、ナショナリズムみたいなものがある程度強くなっているんでしょうか。
D:うんうん。
E:結構世代によっての違いが大きかったのかなって。
D:うんうん。
B:それってアメリカも同じっちゃ同じか。うーん。
A:時間もそろそろですが、イギリス文学もお腹いっぱいですね。
B:結構前からお腹いっぱいでした。
D:うんうん。
C:ははは。
B:何作続いたんですか?イギリス文学は。シェイクスピアからだから…。一回出た?
A:一回出たんだけど、アンデルセンで。
B:アンデルセンを挟んでいるのか。
A:でもクリスマスで戻ってきたんですよね。
B:はっはっは。
C:そう。まだヨーロッパにいようって。
B:そっか、ディケンズで戻ってきちゃったのか。なるほど。それくらいイギリス文学ってすごいんだって思わない?
D:すごいと思う。
A:うんうん。
B:こんだけ続けて読めるくらい。なかなかイギリスから抜け出せなくなるくらいってことですよね。
E:はっはっは。そうですね。
A:抜け出せなくなりましたね。
E:そんなに。
B:そんな、抜け出したくなるあなたに。
A:いやいやいや。
C:はははは。
A:その話かなと思いましたけど。
B:『闇の奧』、これはすごく薄いです。まだ読んでいないんですけど、ジョセフ・コンラッドという、元々はポーランド人、ウクライナ生まれのポーランド人で。その後ロシアでお父さんが捕まったりして生活できなくなり、フランスに渡って船乗りになる。その後、イギリスの船乗りになって、イギリスからアフリカ大陸とかに何度か行った中で、いわゆるアフリカに対する帝国主義的なヨーロッパ諸国の色々なやり方を見る。見たものを元に書いたという本なんです。薄いんです。色々な訳があるから。
C:どこの国って言いましたっけ?
B:イギリス文学にまとめられているんだけど…。
C:結局イギリス?
B:でも、この話の中はアフリカの話なんです。
C:あー。
D:うんうん。
A:今、ちらっと調べたら、イギリスからアフリカに向かう話なんですね。
C:そっかそっか。
B:イギリスからアフリカに向かっていった人、船長さんがイギリスに帰って、その人の話を聞いているって話です。
C:はっはっは。
B:やっぱり、あれなんです。手紙の話と似ていて。
C:手紙みたいな。
B:直接的なストーリーではないんです。でも、途中まで読んだんだけど、やっぱりめちゃくちゃ面白いです。
A:何年に書かれているんですか?
B:これは1900年とかじゃないですか…。
C:最近ですね。
B:割と最近。
A:最近って。
C:さっきは1500年だったから。
B:1899年。ちょうど1900年の直前。
A:あ〜。
B:大陸で言うとニーチェとかです。これは素晴らしい。多分面白い。そして、次はこれ…(『やし酒飲み』)。
C:はははは。
D:はいはい。
A:満を辞してアフリカに行ける気がします。
B:昨日、『やし酒飲み』をもう一回読み始めたんですよ。もう、最高です。
D:へ〜。
B:もう懐疑とかどこにいっちゃたのって感じです。懐疑してたらもう全然無理。
A:はっははは。
C:へ〜。
B:え〜!みたいな感じです。ベースとなる文化が全然違う。
D:うんうん。
B:なんか、マジックリアリズムって言うんだって。なんか、死者の国と生きている人の国を行ったり来たりとか。
D:あ〜そういう話。
B:訳がわからない。そういうのが突然出てくるけど、突然終わって、あの話どこにいったのってなる。バルガス・リョサとかに引き継がれているんだって。
D:何?バルバ…?
B:『百年の孤独』とかね。だから、ラテンアメリカ文学に、結構こういうアフリカの文学、影響を及ぼしているらしい。だからその後アフリカに行くのにちょうどいいですよね。違った、ラテンアメリカか。なので、抜け出すために。
A:じゃあそれにしますか。
B:じゃあこちらで。アフリカで味わっていただくのはこちら。
E:面白そうです。
B:やし酒、最高ですよ。
E:すごく面白そう。
A:『やし酒飲み』、オーディオブックありますかね。
E:どうでしょうね。
B:わからない。
E:調べてみます。
C:確かに。
B:確かにね。ですます体と、である体がめちゃくちゃなんです。訳者どうしたの、と思うけれど、元々がそうなんですって。
A:いい訳ってことですね。
D:忠実に訳しているんだ。
B:多分。
A:では次は『闇の奧』にいきましょう。
B:コンラッドね。
D:うん。
B:これはオーディオブックでYoutubeでありました。ハートオブダークネスという。
C:英語ってこと?
B:オーディオブックはね。
C:そっか…。
B:日本語のオーディオブックを探していないから、わからないけど。これは薄いよ。
C:じゃあ…。
B:薄いといっても200ページくらい。
C:あ〜。
B:この光文社古典新訳文庫の訳は読みやすいです。
C:あー。
D:はいはい。
B:でも岩波もあるよね。
A:ありました。日程を…。前回、二週間に一回はスパンが短いっていう話もありましたね。
B:やっぱり読み切れないよね。話が長いと。
A:どうでしょうか。
B:3〜4週間空けた方が、Cさんも読み切れるかもしれない。
C:なんですか〜それ。いかに楽をして読むかを考えています。
B:楽をするのはいいんだけど、読み切れないとね。
C:確かに。
A:ではその都度、厚めの本の時は…本の厚さによって変えていくっていう。
D:いいと思います。
B:いいと思います。
C:うんうん。
A:いつでも短い本っていうよりは、今回くらい、『ユートピア』くらい厚い本はチャレンジしたらいいときあるかもしれないですね。

A:では次回は3月1日の16時〜お願いします。
B:録画で見たいという声が多数なので、Youtubeで。多分大丈夫だと思うんですけど。録画で。
D:大丈夫ですよ。
B:本を読みたいけれど一歩踏み出せない人が多いみたいですね。
C:わかります。なんだか目が疲れる。
A:はっはっは。
D:ふふふ。
B:みんな言うね。
C:なんか目が疲れるの。なんか。老眼と乱視…同じところを二回読んでたりして。あれっと思う。
B:老眼はね。Dさんも来ているでしょ?老眼。
D:いやー僕はまだ。いつきてもおかしくないけど。
B:えー。僕はもうこのくらいです。これはもう無理です。
C:すっごいわかります。
B:だから、食べ物が美味しくないんです。口の近くで食べるものありますよね。味噌汁とか。自分の食べているものが見えないんです。こんなにつらいんだって思う。
D:そっかー。
B:じゃあ『闇の奧』で。面白いと思います。
A:個人的なので言うと、今年度二週間に一度という読書会、私個人的には、なんというか、経験値がアップしたような気がしていて。
C:うんうん。
A:あの、それも世界文学にチャレンジしているっていう、感じが。
B:本当ですよね。
A:私的には二週間に一度のトレーニングみたいになっていて。心地よいので。1ヶ月に一回と言わず、できれば二週間に一回で…。
C:ははは。
B:ふふふ。長さによるよね。
C:いやなんだべさー。いいなよー3月1日いやですって。
B:はっはっは。
A:時々、1ヶ月に一回とかにしてくれたら。私としては嬉しいです。
C:素直に言いなよ。
B:じゃあ三月はもう一回、『やし酒飲み』で行こうよ。
D:長いことで、長尺の本を読めるっていうことあるからね。二週間という制約があるから、割と短めを選び続けてきたので。そういうギアをシフトするっていうのもありですね。
A:確かに。それはそれでいいトレーニングになりそうですね。
B:はいはい。みなさん『やし酒飲み』も買っておいてください。
D:『やし酒飲み』は読みたいね。
C:読み終わるまでずっと勧められそうだから。いつか通らなきゃいけないんだなって。
A:年度で区切っている訳じゃないけれど、私たちの年度納めは『やし酒飲み』、いいかもしれないですね。
C:確かに。そうだ。
A:『変身』から始まって、『やし酒飲み』で終わる。
E:そっか、『変身』からだったんだ。
B:見える化したやつを共有してよ。
A:では終わろうと思います。ではまた。