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生活者004

2020/04/17 みらいつくり個人誌『生活者』No.004 発行者:松井翔惟

 今週、水曜日から「分散出勤」の訓練を行っています。稲生会を空間的に二分割して二つのチームをつくりました。二つのチームが常にウェブカメラでつながっている環境です。
 まず初日、いつもと違う環境で朝のミーティングが始まりました。私がノートに書いたメモは「具合が悪くなりそう」でした。朝ミーティングを終えて、チームごとに今日一日に関わる情報共有を行うブリーフィングの時間となります。
 私は「各所で電話をしながらブリーフィングが行われている。緊急事態感がすごい。」とメモを始めました。「看取りの話がzoomを介して行われる。いつものzoomより音声はガサガサしていて、聞いている人たちは静かに集中しているような気がする。」「zoomのズレでちょっとした笑いが起きる。そんな笑いを高井先生が隣の人に説明する。」「『宇宙ステーションとの交信みたいだね』と鈴木先生。」…
 情報共有が終わり、それぞれが仕事を始めました。でも私はいつもと違う場所・雰囲気に馴染めず、ずっとそわそわしていました。全く集中できません。妻が「大丈夫?」と声をかけてくれました。私は「もう帰りたい」と弱音を吐きます。落ち着かなくて、同じ場所に留まっていることができないので、場所を移動しながら、できる仕事を探します。妻と目が合うたびに「大丈夫?」「無理。」と言葉を交わします。私は大きな窓からきれいな空が見える通路に机を移動して、仕事を始めました。なんだかすっと視野が広がったような気がしました。「(訓練ではなく)いきなりの緊急事態だったら、と思うとゾッとするなぁ。」そんなことも考えられるようになってきました。
 二日目、木曜日。朝、私は「この状況である学びとは何か」とノートに書きました。私は見えた状況をノートに書いていきます。「ストレスを発信する」「鈴木先生の冷静発信」「工藤さんみらいつくり学校についてアナウンス」「はじめさんヒヤリハット報告」「松木さんのチームストレスマネジメント」「同じ場所で同時にブリーフィング、混線」「zoomを通じて一方的に話しかけられる」「繰り返される『めぐみさーん』」…
 初日よりストレスは減ってパフォーマンスは高かった、と振り返りながら家に帰りました。
 夕方に飛び込んできた「緊急事態宣言全国拡大」のニュース。私のできることはなんだろう、すべきことはなんだろう。そんなことを考えています。
 冷たい風とあたたかい光。春です。