Works

しさくの詩集10月号(第3回しさくの広場)作品No.005

妻が倒れた姿を見て
申し訳なかったと夫がつぶやく
母が倒れたと聞いて
娘が車を走らせる
祖母が倒れたと聞いて
孫娘が涙を流す
涙を流す母とともに
胎の子が育つ

week2「交流週」

・生と死が連綿と続いてゆく。たった8行の詩ですが、一本の映画を観たような気持になる詩です。
最後の「母」と「胎の子」だけは、「ともに」「育つ」んですね。生命の神秘を感じさせます。
・いのちについて、考えさせられました。みんな元気に過ごせるといいですね。
・映画のワンシーンみたいな詩です。それぞれの登場人物のカットを想像しちゃいます。胎の子の母は孫娘さんですよね?命が消えるかもしれない今と、やがて誕生を迎える命の今。

week3「推敲週」

読んでいただいてありがとうございます。
胎内にいる子どもとその母親がともに育つことは見ていて明らかです。胎で子どもが育つ過程は、一人の女性が母親になる過程でもあります。ある一人が死へと向かう過程は、他者にとって生きる過程でもあります。この詩をつくり、みなさんのコメントを拝見し、改めてこの詩を読みながら、そんなことを考えました。