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生活者008

令和2年8月21日発行 みらいつくり個人誌『生活者』No.008 発行者:松井翔惟

前回の発行が五月末とあったので、もう三ヶ月ほど発行を滞らせてしまいました。最近は「しさく」を行っています。外を歩きながら詩をつくります。散歩すると、予期せぬことに出会います。「あら、日差し強いな」とか、「あら、この畑のとうきび、ずいぶん伸びたな」とか、「あら、このおじさん、メガネかけているのに、おでこにサングラスあるな」とか発見をします。とっても楽しい時間なので、もう詩作で十分かな、なんて思い始めていました。でも久しぶりにこのファイルを開いてみると、また別に個人誌として書きたいことはあるものですね。

私は、今年の春に自転車を買いました。サイクルあさひに並んでいた「JEEP」と書かれた二万円の折り畳み自転車です。
昨日、その自転車で図書館に行きました。
私の家から図書館に向かう道はいくつかあります。
私のお気に入りは、コンクリートで覆われていないボコボコした土の道です。お気に入りの理由は、近道であることと、ちょっとした冒険感が味わえることです。近道が良いことは言わずもがな、私にとっては「冒険感」が大切です。
私は、頭の中で、オフロードを走るレーサーになります。
私は、少し腰を浮かせて、膝で段差による衝撃を受け止めながら、午前中に降った雨が地面につくったぬめっとした箇所を避けて走ります。ちょっとした轍にあえて前輪を入り込ませて後輪が滑る感覚を味わったり、少し前輪を浮かせてジャンプしてみたりします。コースの最後には、地面から石(私のイメージでは岩)が顔を出してゴツゴツした登り坂があります。横にある木から突き出した危険な枝に注意を払い、身体を少し低くしてくぐりぬけます(実はかがまなくても枝はぶつかりません)。私はゴールテープを切ります(当然テープなんてありません)。私は、後輪を大きく横に滑らせてつくった砂煙の中でヘルメットを外します(私はドリフトできませんし、ヘルメットは持っていません)。観客席からの盛大な拍手は鳴り止まず、母は顔をそらして涙を拭いていました(今日は知らないおじさんが倉庫の陰でタバコを吸っていました)。

近いうちに、こんな私の冒険のスポンサーとして、レッドブルさんが声をかけてくれることでしょう。でも私は基本的に義理を重んじるタイプなので、早くに目をつけてくださった方に長くスポンサーをお願いする方針は変えずにいくつもりです。

図書館で面白い本を見つけました。

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