Works

しさくの詩集7月号(第2回しさくの広場)作品No.002

宇宙人がきて

 

『宇宙人が来て
人類の脅威となったら
人はみな団結する』
そんなことを
大学の先生が
笑いながら話していた

 

見知らぬものがあらわれたら
私たちは敵と決めつけた
国と国の境が
生死を分けるように
幻想した

 

全てが止まった世の中で
南の方では飛行場が造られる
全てが止まった世の中で
西の方では国の陰口ばかり
全てが止まった世の中で
東の方では多くの人が行進する

 

丸山真男をたたいても
国の間に壁を建てても
イエスの御名で祈っても
世界なんて変わらない
そんな絶望が
厚い雲になって世界を包む

 

希望は何かと本を読む
木漏れ日の中を散歩する

week2

「外部に敵をつくると内部がまとまる」というのは為政者が歴史的にとってきた戦略ですね。ベネディクト・アンダーソンは、国家というものは「想像の共同体」なんだと述べました。「国と国の境が生死を分けるように幻想した」というくだり、「分ける」基準が「生死」なんだという捉え方、まさに今の世界的状況を見ているとそうなのかもと思います。

「全てが止まった世の中で」、「北の方」では何が起こっているのか気になりました。

―――

読書と散歩が好きなんですね。

―――

宇宙人はさらなる分断をもたらしてしまったのかも。

世界なんて変わらないのなら

変わらないいいところもたくさんあるはず。

そんな希望を見つけるために歩いていくのでしょうか。


week3

コメントをくださりありがとうございました。

 

新聞でBLMの記事を目にします。

辺野古の新基地建設工事が再開しました。

香港では国家安全維持法が施行されました。

時代が変わっていくのに、私の目にうつる景色は何も変わらないように思います。

私には全部関係ないのだろうか。

私は何もできないのだろうか。

「関係ない人」でありたくない。

そんな思いを込めて、私は生活を営みます。

ここに意味があるんだと信じて、変わらないように思える毎日を過ごします。

そんな「しさく」をしました。