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第7回 みらいつくり哲学学校オンライン 開催報告

2020年6月25日(木) 13:30~15:00で、第7回となる「みらいつくり哲学学校オンライン」を開催しました。

 

奇数回は、大阪哲学学校編『生きる場からの哲学入門』を課題図書にしています。

 

今回は、みらいつくり研究所 学びのディレクターの松井翔惟がレジュメ作成および報告を担当してくれました。

 

以下、松井執筆。

 

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みらいつくり哲学学校第7回では、大阪哲学学校編『生きる場からの哲学入門』の第三講「現代の仕事とアイデンティティー対人サービス労働のために」を読みました。

 

著者の細谷実さんは現代において「仕事」と「アイデンティティ」がどのように結びつきうるのかということを論じています。

 

本論では、「仕事」に関わる「アイデンティティ」の供給源として、5つが挙げられていました。

 

①資本主義に初めて接した人々にとっての労働観
②バウマンの主張する職人倫理
③セネットの職人技
④消費の美学
⑤アレントの《活動》概念をラディカルに換骨奪胎したもの

 

これらを確認した後、私たちのアイデンティティは何によって供給されているのかを話し合いました。

 

・自分以外の誰にも変えられないこと。
・他の何を置いても好きだということ。
・相手に認められること。
・お金を稼ぐこと。
・家族を養うため。
・それを楽しんでいる自分を自分が好きということ。
・自分と相手が楽しいこと。
・自分がやりたいことをする。
・誰かのために役に立つこと
・子どもに伝えること

 

このような内容がそれぞれ具体例とともに話されました。

 

以下は私の感想です。

 

私は、約一年前に転職をしました。在宅ワーカーとなった今の状況を、転職した1年前の自分、転職なんて考えたこともなかった2年前の自分が見たら、驚くだろうなと思っています。こんな状況で、私は「何のために働いているのか」を問わざるを得ません。私の心に定期的に襲ってくる漠然とした不安の意味は、その問いの向かい側にあるような気がするからです。

 

私が今回の哲学学校で至ったのは、その問いに対する答えは一つではないということでした。複数ある答えをどのように組み合わせていくのかと考えたらいいのかもしれないと思いました。また、すでに私は何かと何かを組み合わせて行動しているはずです。今、私は何と何の間で揺れているのか、そうやって考えることが次の一歩を決める材料になるのだと感じました。

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次回は明日6月30日(火) 10:30~12:00、第8回としてハイデガーの『存在と時間』より第3章「世界の世界性」を扱います。

 

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