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G suite導入顛末記 その4 娘のオンライン学校のシステムにびびる

G suiteの導入を決めたもう一つの理由。それは「娘のオンライン学校のシステムにびびったこと」である。

三人の娘のうちの一人が、今年度からオンライン学校に入学することになった。入学の理由とは関係なかったが、たまたま新型コロナウイルスの流行により全国一斉休校。他の二人の娘たちの学校は休校となり、オンラインへの対応でバタバタする中、オンライン学校に入学した娘だけは全く影響を受けず学んでいた。

このオンライン学校、とにかくシステムがすごい。オンライン講義は週2日の半日ずつ、Zoomで行うのだが、毎回の授業の振り返りをG suiteのGoogleドキュメントに記載。それは「学びのポートフォリオ」という形でまとめられ、担任の先生も閲覧できるようになっており、月一回の担任の先生とのZoom面談では、それをもとに面談が行われているらしい。ちなみに、担任の先生との面談の日程調整はGoogleカレンダーで。空いている時間帯をクリックすると自分のGoogleカレンダーにコピーされ、あとはその時間になったら先生、生徒それぞれスケジュールに貼られているリンクをクリックしてZoomに入ると面談がスタートする仕組み。先生や他の生徒との普段のやり取りは基本的にSlackで。授業に関する事務連絡などはもちろん、その他「部活」のような、生徒それぞれの趣味に応じたチャンネルが作られ、そこでチャットのやり取りができるほか、Slackからそのままテレビ電話システムで女子会を開いたりしているらしい。「今日は東京の子と神奈川の子と喋ったよー」なんていうのを何度も聞くと、自分の学生時代の頃には想像も出来なかった世界だなーとびびる。

新学期開始前に緊急事態宣言が全国対象に発令されていたので、オンライン授業を行う先生方も皆さん自宅から参加。親も一緒に参加できるZoomの「入学式」に参加したのだが、司会の方の進行のもと、自宅にいる(であろう。背景は全員「桜」)先生方が次々とオンライン画面上で挨拶をされていく。それを見る何百人もの生徒たち(顔は出しても出さなくてもよい)が、Zoomのチャットで大量の書き込みを。ちなみに授業中もチャットへの書き込みはOK。声に出して質問するのが難しい生徒が書いたチャットを先生が見て、「〇〇ちゃん、~って書いてくれてるね。それは~っていうことだよ」といったように回答してくれるらしい。Zoomでの授業中、内容についていけなくなったときは、「サブルーム」というのに生徒自ら移動できる。そこには副担任的な先生がいて、わからなかったところを会話などで聞くことができ、「あ、そっか。わかりました。では授業に戻ります」てな感じでメインルームに戻ることができる。

普段の授業以外に、膨大な量のオンライン教育動画コンテンツが置かれたシステム(ホームページ)の中から、自分の好きな講義を受けることが可能。その他、毎月色々なイベントの案内がメールで届き、生徒が希望するものに参加することが可能。そのイベントというのも、「元日本代表キャプテン〇〇選手から学ぶリーダーシップ」とか、「元ピタゴラスイッチ制作者の〇〇さんと一緒に、チームで作品を作ろう」とか、「〇〇美術館とコラボして、美術展を企画しよう」など、普通の学校では企画が難しそうなイベントが次々と。ちなみにもちろん全てオンラインでの参加である。
オンラインだけでなく、リアルなイベントなども用意されている。リアル校もあるので、そちらへの通学を組み合わせることも可能。オンライン上でアバターを使った「ヴァーチャルな修学旅行」(笑)というのもあるようだが、リアルな修学旅行もあるようだ。

なんとも、驚愕なシステム。新型コロナウイルスの影響で「リアル空間」での活動が難しくなっている今の状況では、全ての学校で参考にすべきシステムに思える。

私自身も、大学で非常勤講師を担当しているが、そちらの大学でもたまたま同じGoogleのClassroomというシステムを活用している。教室での講義ができないので、映像ディレクターに協力してもらって稲生会事務所内のスタジオで毎回の講義を撮影。編集したものを動画サイトにアップし、それをClassroomに投稿することで学生さん達に観てもらうことができる。学生さん達は毎回の講義後に感想や質問をGoogleドキュメントで作成。担当講師である私がそれぞれのドキュメントにコメントという形で質問への回答や感想へのフィードバックを書き込む。生徒さんそれぞれの顔は見えないが、何度も繰り返していると顔が浮かんでくるような感じがする。「オンライン=顔や気持ちが見えづらい」というのは、必ずしもそうではないと思う。

話は戻るが、娘のオンライン学校のシステムにびびった父。そのシステムの「プラットフォーム」(基盤)になっているG suiteという仕組みに俄然興味を持つようになる。「ジー・スイート」という発音も、なんだか高級な感じがするではないか。カナダで体感した魅惑のGoogleワールド、そのさらに奥に「スイートルーム」的に快適な場所があるのでわ…なんていう妄想も膨らんだのであった。

 

次回からは、いよいよ「G suiteの導入」が始まる。