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みらいつくり食堂リレーエッセイ

みらいつくり食堂リレーエッセイを始めるにあたり
アロマセラピスト 目黒祐美子

在宅ワークと食い改め

4月20日の月曜日より、コロナウィルス感染拡大防止策の一つとして在宅ワークを開始しました。他のほぼすべてのものがそうであるように、在宅ワークにも良いところと悪いところがあります。
私にとって大変なことは、腰が痛いとか、人と同じ空間で話せないとか、wi-fiのやりくりが大変だとか、そんなことがあります。一方で良いところは、通勤時間もなく時間の変則はきくので食事に時間をかけられること!マクロビ寄りの食生活を試してみています。マクロビ(マクロビオティック)の食べ方とは、とても長い話を一言に詰めると玄米菜食を中心とした食事療法です。玄米を土鍋で炊いたり、小豆を炊いたり、地元でとれた野菜を干してみたり、野草を採ってきたり、ごまをすったり、毎食お味噌汁をきちんと作ったり。品数で言うと玄米に一汁一菜なのに、それでも結構手間と時間がかかるものですね。あと、ご飯をいただくときは、せめて一日一回は「ながら」をせずにしっかりよく噛んでいただくようにしています。
マクロビも他の多くの食のあり方と同じように、単なる食べ方ではなく、自然の流れや秩序に沿って生きる生き方という生き方の実践の一つの現れだそうです。とはいえ、がっちり厳しくやってしまうといろいろと大変なことになりますし、私の目的の一つは「自分の身体が起こす反応をきちんと感じて、食べ方や食べ物をかえていく」こと。いわば実験?研究?のための機会にしています。

と、ここまではパーソナルな研究ですが、同時に、こういった一人一人の食べ方も「ともに」味わうことができないかな?と思い、このリレーエッセイを始めたいと思いました。
「みらいつくり食堂」は「みらいつくり研究所」の中にあります。
2019年4月からこれまでの一年ほど「食べよう、そして生きよう」をコンセプトに様々なかたちの「食」を研究していた「みらいつくり食堂」。このたび同じ空間での「食」は一時中止せざるをえません。しかし、それでも他の方法で「ともに食べる」ことは研究し続けたいと思っています。

私も、食堂での食事をおいしくいただいたり、みんなの笑顔を見ながら食堂ですごしたり、逆にみらいつくり食堂で食べる人の顔を思いながら料理をしたりしていましたが、現在は、支度するのも食べるのも一人です。
しかし、その分、いただいているものの命、それを育んだもの、生産者、流通者、自分が選択して消費するものの影響などといった繋がりを強く意識することができています。「わたしの食」はどこかに繋がっている。そして、「ともに」生きるということは、必ずしも「ともに」同じ空間にいることを条件としない。

また、みらいつくり食堂は、食堂とはいっても、レストランではなくて空間ですから、いろいろなことに使われてきました。ミーティングの場として、休憩の場として、情報交換の場として、短期入所にいらっしゃる子どもたちの遊びの場として、調理の手伝いがてら他の仕事の息抜きとして、きょうだいとの学びの場として、読書をする場として、仕事をする場として、空いている時間に一人で息を抜く場として、、etc.
人それぞれにいろいろな事情や時期や体調や気分があります。いつでも「みんな一緒に同じメニューを同じ場所で」なんて、できないこともあるし、そうしなきゃと思うと息がつまっちゃいます。食も、食堂の使い方も多様性があってこそみんなの顔に笑顔がのぼる。
またみんなで一緒に食卓を囲む日を楽しみに、でもそれまでの間もみらい作り食堂が稼働しつづけ、みんなが自分の好む形で参加できたらいいな。
そんなわけで、みんなで一緒の食堂に集まれない今という時期には、あえて一人一人の個別で多様性のある「食」について教えてもらえたらと思っています。

これまでみらいつくり食堂を利用や手伝いしたことがあるなしを問わず、いろいろな方に「食」といわれて今思いつくことについて、文章でも、動画でも、写真だけでも、短歌でも、いや漢字一文字でもいいので表現していただければと思っています。

第一回目は、我らが「みらいつくり食堂」の管理栄養士である久保香苗さん(同じ法人の職員同士でもここではさん付けにします。)にお願いしています!

野草

マクロビの食事